『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』

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刊行を記念してみたいな感じで読書会をやります。詳細はこちらで
薄くてカラフルな装丁の内沼晋太郎『本の逆襲』を手に取ったのが最初で、それから佐久間裕美子『ヒップな生活革命』を読んで、そのときはまだ「アイデアインク」というシリーズ名でしか多分認識していなくて、でもそこからは矢継ぎ早だったように記憶している。
武田砂鉄の『紋切型社会』、岸政彦の『断片的なものの社会学』、わりと続けてな時期に読んだこの二つがおそろしいほどによくて、そこで「そうなのか」と知り、そこからも吉川浩満『理不尽な進化』、都築響一『圏外編集者』、テクタイル『触楽入門』と読んでいった。國分功一郎の『暇と退屈の倫理学』も元々はそうだったのか。
これらはどれも朝日出版社の出版物で、朝日出版社はだからここ1,2年のあいだで僕の中でもっとも好きな出版社の一つとしてわりと確固たる地位を築いてきたわけだった。
ていう、そんな出版社から出る本に、かかわらせていただいて、マジこれほんとほまれ、ブチアガる、と思ったわけなんですが、掲題の本『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』で原稿を書かせていただきました。
書店員22名(僕は書店員だったのか)が案内するまだまだ知られていない夢みたいな本屋22店のガイドブック、みたいな本とのことです。11月1日発売予定とのことです。
僕は自分が書いたものしか知らないので本の紹介がしづらいなと思っていたんですが、編著者の花田菜々子さんがへーすぼっくに書かれていた文章で「それは読みたいぞ」となったので許可をいただき転載するんですが、
「うううっ(号泣)
なんと、わたし、本を出すことになりました!
(…)
ちょうど去年の今頃、友人で本屋仲間の北田さんと
居酒屋で思いついて盛り上がっただけのネタでZINEを作ってから
思いの他いろんな人がこのZINEを面白がってくれて
話が転がり始めました。
(…)
本は、ZINEのときと違い、自分たち以外に豪華天才書店員20名
(と、周辺業界で働くカリスマ業界人4名)にも原稿をお願いし、
それぞれの「夢の本屋」を思いのままに描いてもらいました。
そしたら、それが、やばい。ほんとにやばい。
もうほんとに、信じられないくらい、すべての原稿が
めちゃくちゃ面白いんですよ。
そんなことあるのか?と自分でも思うけど、
どう考えても、死ぬほど面白い。
自分の中では、もう「自分が本を出す」ということよりむしろ
「この本がめちゃくちゃ面白い」ということの方がニュース感が強い。
なぜこんなすごい本ができてしまったのか…
我ながらあまりの恐ろしさに震えが止まりません。
まあ、本屋も本も別に好きじゃないという人には
残念ながらたいして面白くない本だと思いますが、
「本屋が好き!」という人には、もう本屋のディズニーランドか!ってくらいに
めちゃくちゃ楽しんでもらえると思います。
どうぞ、「まだまだ知らない 夢の本屋ガイド」をよろしくお願いします。」
とのことです。本屋のディズニーランド、いいっすね。
なお22名の方+4名の方はこちらです。
小国貴司/BOOKS青いカバ(東京都)、長谷川朗/ヴィレッジヴァンガード下北沢店(東京都)、北田博充/東京都内書店(東京都)、宮里綾羽/宮里小書店(沖縄県)、内沼晋太郎/本屋B&B(東京都)、森岡督行/森岡書店(東京都)、花本武/BOOKSルーエ(東京都)、前野久美子/bookcafe火星の庭(宮城県)、熊谷由佳/丸善名古屋本店(愛知県)、森川佳美/スタンダードブックストア心斎橋(大阪府)、山下賢二/ホホホ座(京都府)、阿久津隆/fuzkue (東京都)、鈴木毅/進駸堂中久喜本店(栃木県)、花田菜々子/パン屋の本屋(東京都)、竹田信弥/双子のライオン堂(東京都)、坂上友紀/本は人生のおやつです !! (大阪府)、山田智裕/文教堂ユーカリが丘店(千葉県)、松本大介/さわや書店フェザン店(岩手県)、藤井佳之/なタ書(香川県)、積読書店員ふぃぶりお/熊本県内書店(熊本県)、佐藤雄一/北書店(新潟県)、粕川ゆき/いか文庫(所在地不詳)、綾女欣伸/朝日出版社(東京都)、渡辺佑一/ミシマ社(東京都)、有地和毅/日本出版販売(東京都)、藤原章次/藤原印刷(長野県)
全国津々浦々な感じで。
なんか、そんなわけで書かせていただいたんですけど、書くのとても楽しい経験になって、最初は「えー俺たいしたこと書けないですけどーとりあえずこんな感じですかねー俺が書くとしたらこんな感じになりますよねー」で送って、「ここらへんもう少し深掘りしてみたらどうですか」ってなって「えーじゃあこんな感じですかねー」で改稿して送って、そのあたりは僕は特になにも面白くなくて、書いていても特にアガらないし書かれたものも特にパッとしないしこれはボツになるかもなーとか、そんな気分でいたのだけど、次に「ここらへんもう少し深掘りしてみたらどうですか」ってなっていただいた助言で「ああ、なるほど、あ、なんか、なんか見えた気が」と思ってメールをいただいた日の夜中にわーっと書き直して、ってしたら見違えるほどよくなって、僕自身も楽しくなって、っていう流れがあって、なんていうんですかね、編集の力というか、これは『歩きながら考える』のときも感じたことだったけれど、ふだん一人で好き勝手書き散らかすしかしていない身としては他者の助言なり視点なりが入るとこんなふうに文章はブラッシュアップされていくのか、というのをすごく鮮烈に感じる体験になったし、編集者の方というのは原稿をいいものにするべくここまで細かくそしてギリギリまで向き合うものなんだなというのが知れてすごく勉強になったというか激リスペクトというか、で最終的に形になったものは「これはもう、面白いっしょ」というものになった。そういうわけで全体としてとてもいい経験をさせていただけてとてもよかった。他の方のも読むの楽しみ。
そういうわけなので「書きました〜〜いえ〜〜〜〜い朝日出版社〜〜〜だぶるぴ〜〜〜〜す」のお知らせでした。冒頭に貼ったように読書会やるのでぜひご参加あれ〜〜〜。