定食川越の誕生

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川越、と言ったとき、人は何を想起するだろうか。
オリックス・ブルーウェーブ等で活躍した川越英隆投手だろうか。あるいは「小江戸」の名前で親しまれる埼玉県は川越市だろうか。
これまでの僕であれば、その二つしか浮かばなかった。でも今は違う。
川越さんが登場したのは7月の終わり頃だった。僕が社外取締役として労働力と時間を投下していた定食フォンダン・オ・ショコラ、そこによく来てくださるご夫婦を観察した結果、「ははぁ、きっとご近所さんだな。ということは、初台フレンド・ネットワーク(HFN)を持っていらっしゃるに違いない…」と思い、お帰りの際に「あの」と声を掛けた。
働いてくれる人を探しているんですが、11時15時で、できたら平日毎日入れるような、へえ、へえ、さようで、と探している人物像を伝えたところ、ほんの数日後に「一人当てがあるので連絡先を」とおっしゃる。それで電話番号等をお伝えしたところ、その日だか翌日だか、「人呼んで、川越と発しやす」とのTELを受ける。翌日夕方、定食ダニエル・オコンネルに来ていただく。「では、来週からお願いします」
昼に常務執行役員として定食シャキール・オニールで働き、夜にフヅクエをやる。この労働生活をもう少し続けていくこともできただろう。でもさすがに疲れるわ、続かんわ、あかんわ、という感じがあったので、なんかこう、人を探そうと。僕よりちょっと年上くらいの主婦な感じの人とかいないかなー定食っぽい雰囲気の、平日その時間帯あいてて、っていう、子供送り出したあとで迎える前的な、みたいな、知らんけど、と思いながら、これはインター・オブ・ネットに頼るよりもご近所・ネット・ワークの方が確度高そうだなあと、いつも行く八百屋さんやお花屋さんにあれしていたのだった。
そんな中で来られた川越さんは24歳の新婚さんで、結婚を機に東京にやってきた関西出身の方だった。そして住まいは初台ではなく電車でわりと。「そんな人がなぜ」
その答えはこんなだった。先述のご夫婦はすぐ近くで何かしらの会社を経営されているらしく、会社の社員の一人が、川越さんの夫にあたる人だという。夫婦ぐるみの付き合い(「本当にお世話になっていて」と川越さんは言う)から川越さんが仕事をしていないことを知っており、「ここは一つ」と白羽の矢を立て、斡旋してくださった、とのことだった。
なんていうか、そういう経緯を聞いて、これは「うってつけなのでは?」と思ったというか。すごい安心して任せられそうというか。
ただ定食屋という場所においてその若さが気になるというところはあって、「若い女性が一人で立ち回っている風景はどんなふうになるのか」みたいな、何かを損ねはしないのか、という。そういう懸念はあって、というそれを伝えた上で、最初一週間で双方見極めましょう、みたいな感じでとりあえずという感じで入っていただいて、シャキシャキしてるしいいんじゃないかな、というので引き続きお願いすることにした。
8月頭から入ってもらっていて、二人いると手持ち無沙汰だし、なんかもう大丈夫そうだし、みたいな感じで今週の後半からはほぼ完全に任せていて(そのため機種変更しに行くことができた)、なのでその瞬間、定食川越が誕生した、という話でした。