『若い藝術家の肖像』を読む(26) 『アイルランドを知れば日本がわかる』を読む(3)

blog_fuzkue126.png
先日、教えていただいたアイルランドのサイダーというのかリンゴの炭酸のお酒というかシードルっていうんですかね、マグナーズを調べに行ったら年齢認証のところで国名も問われ、そこで「はあ、なるほど、そういう」と思ったのだった。 そこには「Great Britain」と「Northern Ireland」、次いで「Republic of Ireland」とあった。そういう区分をしてくるんですねーというのが知れたので面白かったです。以上です。
そういえば先日買った雑誌『WIRED』のコーヒー特集の記事でコーヒー・ハウスの歴史とかが触れられていて、そこにも「アダム・スミスが『国富論』を書いたのは、スコットランドの知識人がよくたむろしていたとされる「British Coffee House」だった」とあって、「ほお、ブリティッシュ嫌がる人もいる、みたいなのWikipediaで読んだばっかりだけど、率先してブリティッシュを冠につける店もあったのだな」というのが知れ、また愉快といいますか。 ところでしかし、という感じなのだけど「British Coffee House」、これググっても出てこないんですよね。謎は深まるばかりと言いますか、深める気はないんだけど、なんか不思議というか。いいんだけど。
そういうわけで寄り道をしたのだけど、ともあれ、というところで言うと、まあ、アイルランドは長らくイギリスの支配下にあって、とても大変でしたというか、カトリック差別法とかでいろいろ露骨に制限されたり、大変でしたというか、だから反英感情というのが長く強くあって、『アイルランドを知れば日本がわかる』によればここ10年くらいのところで歴史的な和解を遂げたらしいのだけど、『若い藝術家の肖像』が書かれたあたり、1910年代とかはたぶん最高潮に反英な感じになっていたはずで、だから、そういうあたりが小説にどういうふうに現れているのだろうか。ジョイスはカトリックなのかな。これがプロテスタントだったりしたらまた話がいろいろ入り組みそうとか。そんなことを学んだということでいいのかな。
あとアイルランドはそういう虐げられた歴史が長いからとても親切な国なんですって。弱きを助けるという気質があり、ODAとかも無償というか見返りを求めないとか、あと独立後長らくヨーロッパ最貧国だったんだけど、今では国民一人あたりのGDPだかGNPだかがイギリスを抜いて世界でもトップクラスだとか、傘さして歩いていると男の子が傘の下に入ってきてかわいいとか、庭にいるおじいちゃんが手を振ってくるとか、ほっこり。かつてジョイスが暮らした国は現在そんな感じだそうだ。