本の読める店

『若い藝術家の肖像』を読む(12) 仕入れた本を並べた

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仕入れた本を並べた。並べるといってもそう簡単なことではなく、なんせむき出しの本だ。帯がついている。帯には「半自伝的小説」などの知りたくもない情報がいくつか書かれているだろうから直視してはいけない。そうなると本を直視せずにつかみ、きれいに置く、という極めて高度な手先の技術が必要になってくる。
そして並べ方。10冊。最初は3,3,4と3つの山に分けて置いてみたのだけど、「待てよ…?」となった。1+2+3+4=…10…!そうか!1,2,3,4だ!みたいな数学の天才であるかのようなひらめきがおりてきたため、そのようにおこなった。そのためにたいへん満足した。

その横にポップを置いた。
以前、物件探しのときとかに不動産屋さんとかに挨拶、みたいなときに名刺代わりに名前や連絡先等の情報を乱雑な文字で手書きして渡した名刺サイズの無地のカード、それに紹介文というか、「若いやつがたぶん悩んだりするんじゃないかと…まだ読んでないんですけど…」といった言葉を添えて、置いた。

するとどうだろう、がぜん、売り場、という感じがする。「ああ…これは売り物だ…」という感じがする。そのため、本の売り場が完成した。

とか言って、それで満足しちゃいけないわけですよね、何ごとも。店だってそうだ。開店させるまでに大きな労力を注ぐから、オープン、おめでとう!という感じが非常に湧きやすい、人から見てもそうだし自分から見てもやっぱりそうで、がんばったなーとか言って。だけどスタートなんて何ひとつおめでたいことじゃないんだ、夢?自分の店を持つことです、なんて腑抜けた話をこっちはしていないんだ、みたいな、妙ないきがりもあって「おめでとう」と言われると「いやまだ始まっただけですから、やっとスタートライン。儲かったときに言ってください」って。
言わなかった。だいたい「いやーほんとね、ありがと!」と言った。

って、なんの話だろうこれ。
つまり、本を売り始めたけれども、まだ俺は小説のページをめくってすらいないんだ、っていう話かな。違うかな。まあなんだっていいし読み始めるなんてのはいつだっていいんだよねっていう気もしつつ、『アイルランド―歴史と風土』をひとまずはやっつけるぞと思いつつ、面白くねーなーと思いつつ、もう一つの方、アイルランドを知れば日本がわかるみたいなタイトルのやつにもう手を出しちゃおうかなと思いつつ、それでも歴史と風土読み進めていて、「アイルランドの生活様式は非常に緩慢に変化したので、16世紀の旅行の描写がおそらく1世紀の時代にも当てはまると考えてよいだろう」というのを読んで「へ〜」と思った。ほんとに?というか。
あとこれか。「アイルランドには「氏族」(クラン)はなかったということを理解しておくべきだろう。秩序の中心核は家族だった」これは驚き。というのも、三鍋昌春『ウイスキー 起源への旅』にはこうあるからだ。「ケルト人社会特有の構造、すなわちいくつかの部族(クラン)の集合体として存在していた」
どういうことだろう。
ま、いいや。あんまり細かいところにこだわっても得るものも

なんかこうしっくり来ないというかぼやーっとしてる。天気悪いししょうがない。

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