昨日おとといと初台に物件を決めた経緯みたいなものを書いたけれども、基本的には町がどうのということよりは「この箱なら自分が作りたいと思っている空間と時間を作ることをできるんじゃない?」みたいな物件の魅力によるところが大きかった。
というか、これは東京という場所を知らないからなのだろうけれども、町はたいした要素じゃないみたいな、場所軽視、みたいな考え方があった。それにはたぶん2つの(おそらく甘々な)考えがあって。
本を読める場所を作りたい。席数は10。ってなったときに、まあ、なんつっても10席だしね、毎日100席埋めて回すみたいな大掛かりな話じゃないんだし、どっかの町でダメだったらどこの町でもダメでしょこれきっと、みたいな感覚でいた。どこでやろうと10席の店が成り立つくらいはいるだろ、ニーズとか合致する人が、という。それが1つ目。
2つ目。行ってみたいお店ってあるじゃないですか全国津々浦々に。で、どっか旅行いくかってなったときに、行きたいお店起点で、あそこずっと行ってみたかった店だから今回の旅行はその県にするか、みたいに考えることって十分にあることなので、なのでじゃないか、まあなんというか、大げさだけど、「商圏は日本全国や!日本全国の、読書好きが目指してやってくる場所をわいは作るんや!」みたいな感覚もすごくあって、「レジェンドや!」というか、レジェンドは違うか、「聖地や!」みたいな感じだろうか。
誰かにとっての巡礼先になったら町がどこだろうとそう関係ないだろう、向かうでしょ、聖地、みたいなところだろうか。
そんなポジションをいずれ取ってみたいものですね、という密かな野心みたいなものは今も僕は持っていて今この瞬間に密かじゃなくなったのだけど、なんかこう人を感動させたいよね、世界をよりよくするみたいなことに寄与したいよねという、いや話ずれたな、いやずれてないかな。
なんというか、この店のコンセプトというかあれが持っているであろう力というか価値を最大限に引き出すことができたならば、津々浦々に知られるに値する場所になりうるはずだ、ということは、「魅力ある店を作る」=「聖地になる」が成り立つので目指せ聖地ってことか、みたいなそういうわけで、聖地的には町なんてどこでもって言いつつ新宿駅の一つ隣っていうのは十分アクセスしやすくていいかもしれませんね、みたいなところもあったりなかったり。大言壮語しつつ、実際のところは隠せない弱腰がアクセシビリティをある程度求めちゃったとも言えるというか。
そんなこんなで無人の店内で「朕は聖地なり」とか呟きながら2ヶ月が過ぎたわけだけど、当然ながら一朝一夕で聖地になんてなるわけもないので、商圏ってなんだろうな、ということは今一度まじめに考えたいよね、と思っているところ。