fuzkue(フヅクエ) - 一人の時間をゆっくり過ごしていただくための静かな店

世紀の発見

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金曜の19時半でまるっきりの暇で、本来であれば少し焦るというか萎えるというかえーマジかー今日こんな感じなのー?年度末の花金?年度末の花金とかってなんかあるとかなの?であるとかを考えそうなものなのだけど今の僕はそういうことは超越した地平にいる。泰然としている。嘘だった、嘘で、泰然とまったくしていない。落ち着け、落ち着け落ち着け、と自分に言い聞かせている。なぜならば——

というところで、なぜならば、というところなんですが、掲題の通りすごい発見をしてしまったからで、それでちょっとひと呼吸入れて落ち着けないと余計なことをしでかしそうで怖いなと思っているつまり大変に勢いがあるのだけど、つまり大発見をしてしまった。

カレーの話なんですけど、カレー仕込むの、面倒と思っているわけではないのだけど何を仕込むときもそうだけど何かしらの面倒ポイントというのはあって、ショートブレッドだったらバターを切るとか、トマトソースだったら野菜を切るとか、煮物だったら野菜を切るとか、ジンジャーシロップだったら生姜を切るとか、あれ、なんか切るのが本当に面倒みたいなことになってるけど大丈夫だろうか、ともあれ「そこを越えさえすれば」みたいな、私のような怠惰な人間にとってはそういう面倒ポイントというか億劫がらせるポイントというのがあって、カレーはそういうあれでいったらそういうあれはたくさんあるような気がしていた。

鶏肉を切ってヨーグルト等でマリネしておく、玉ねぎ等をそれなりの量切る、ホールスパイスを各種準備しておく、パウダーのスパイスを各種準備しておく、というところで、なかなかにこう、やる気が起きにくいようなところがあって、カレーに限らずやり始めてしまえば面倒ポイントだと思っていたものも別に特に面倒ということはなくて、ただの始める前の心理的な壁みたいなそういう役割を果たしてくれていただけだというのが毎回わかるものなのだけど、まあとにかく、「カレーかあ…」みたいな、テンション下がるというのはないけれども、「今日はひとつ大仕事だな」みたいな、大仕事は完全に言い過ぎなのだけれども、「今日はカレーだぞ」みたいな気構えのようなものが、気構えもやっぱり言い過ぎだけれども、「はい、カレー、うっす」くらいの、そんななにかがカレーにはあった。ある。
んですけど、それぞれタスクを細分化することで取り掛かるハードルを下げる、というのはよくあるあれでしょうけど私はそれを最近「タスクは細分化すると取り掛かるハードルが下がるもんなんだなあ」となんだかちゃんと知ったようなところがあるので、タスクは細分化するぞというところで、お肉のマリネは事前にしておく、玉ねぎ切るのも事前にしておく、スパイス準備するのも事前にしておく、ということをそれぞれ別の作業としてタスクリストというか今日やることリストに書いて消しながらおこなってみると、あら、あとは火に掛けたりなんかするだけだ、インスタント食品みたいだ!みたいな、言い過ぎなのだけれども、そういう状態になるので、いいぞ、という話なんですけど、それでスパイスでいうとカレーやる前日に小鉢に必要なやつを「ほれほれ」と入れておく、という感じでやっていたのだけどやっぱりそれでも面倒は面倒なんだよな、というのがあって、当日は確かにまったく面倒じゃないのだけど、今度は前日のそれが面倒だよ、みたいなところが、面倒というかなんか億劫だよ、みたいなところがあって、それで、「それじゃあどうしたらいいかな」って習慣というのはおそろしいものであんまり積極的意識的に「どうしたらいいかな」って僕は考えられないみたいで考えないで面倒がりながら億劫がりながらそのまま日々を生きるんですよね。ですが、ある日、「あッ!ホールスパイス、これカレーセットみたいな感じで茶袋に必要な量入れたのをいくつも作るみたいにしておけばすごくいいのでは!」と思って、それでスタッフのひきちゃんが入る日に「今日はこういうことをしてください」のリストでスパイスセット作りというのを課すことで、無事これ名馬というか俺やらなくて済んだみたいな、そういうことになって、うれしくてうれしくて、というのでそれで運用してみるとホールスパイスのところマジ楽だなってなって、マジ楽もなにも俺なにもやってないからその工程が魔法みたいに消えたみたいなところなんですけど、これマジ楽だなってなって、カレーだいぶ楽になったんですけど、でも、っていうので今日とか「明日あたりカレーかな」という予感があったみたいで何かしらカレーのことを考えていたらしくて、そうしたら僕の面倒レーダーが捉えたのはパウダースパイスのことだったんですよね、パウダー、用意しないとな、みたいな、つって、現在のパウダースパイスを巡る状況は次の通り:棚の高いところにちょっと背伸びして取るような感じでジップロックの大袋に入ったのを取ってきて、そこに買ったときの特に密閉とかされていない小袋が各種入っていて開封済みのやつは輪ゴムであれしている、そういうのがクローブとカルダモンとチリパウダーとターメリックであって、あとガラムマサラがあって、というそれを大さじであるとか小さじであるとかでぺっぺぺっぺするだけなんですけど、あ、なんか面倒、ってなんかきっとレーダーが思ったらしくて、そのときに、そうそのときに今日は珍しく「これどうしたら面倒って思わずにやれるのかな」って思ったらしくて、何が面倒なのかな、ってなって、その結果判明した面倒ポイントは次の通り:背伸びして取るその背伸び具合、それからジップロックを開けて閉めるその密閉させないと具合、それから輪ゴム取ってわりと狭い開け口にさじ入れてそれからまた輪ゴムで閉めるそのちまちました一連具合、そこらへんらしくて、そのときにふいにわきにある昨日煮沸したオリーブが入っていた瓶が目に入って、目に入って、「これだ!!!」ってなって、

そういうわけで今日に関してはその瓶が2つしかなかったのでクローブ君とカルダモンちゃんだけそちらに引っ越させて、今のだから冒頭の落ち着け落ち着けというのは今のだから俺はあと2つ3ついいサイズの瓶がほしくて瓶を手に入れるためだったらあと少量残って冷蔵庫にあるオリーブの瓶を空けて煮沸し始める、オリーブは自前で食べちゃう、みたいなことも厭わないぞみたいなところがありそうで、いやいやでもその瓶はきっとあれだよセミドライに焼いたトマトをオイル漬けするときに使うやつになるはずだよだからそれ使っちゃダメだよ落ち着いてねというところであってだからこうやってこの勢いを言葉にすることでどうにか落ち着こうと今こうやっているわけなのだけど

しかし店、始めて2年以上が経って、カレーとか長らく作ってきたわけなんですけど、まったく予期しないところでこういう「これだ!」みたいな、なんていうんだっけ、カタカナの、レボリューションみたいなやつ、改革みたいな、改革じゃなかったっけ、なんだっけ、レボリューションみたいな、ソリューションじゃなくて、イノベーションかイノベーション、イノベーションとか大げさだけどwww、イノベーションはいつ起こるかわからないというか、というかイノベーションてどういう意味だっけ、まあそれはとにかくいつ起こるかわからないというか、そして一度「これだ!」となったら「なんでこれまでほんとこれしてなかったわけwww」としか思えなくなるような、つまり取り返しのつかないというか後戻りのきかない発見というのが、まだまだ起きていくものなんだな、というか、明確に世界が二分されるというか、パウダースパイスを瓶に入れるという発想を持つ前の世界とパウダースパイスを瓶に入れるという発想を持った後の世界、その二つに世界はすっぱりと分かれて

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