本の読める店

目的にかなった接客

Entry blog fuzkue330

「いい接客わるい接客」
上のやつで「目的にかなった接客こそがいい接客」なんじゃないか、ということを書いて、書いたままあらぬ方向に進んでしまったのが少し前に書いたやつなのだけど、あらぬではない方向に今回は書けるといいなと思って今このように、書き始めたところであるのですけれど、眠気であるとか、さっきあまりの空腹に、「まだ閉店まで4時間あるのか、このままでは…」となったためこういったときのためにだいたい常備している超熟(8枚切り)を2枚、食った、こういったときのために先日買ったピーナツバターを塗って、食った、そうしたら今度は、眠くなってきた、それがナウです、と、わざとあらぬ方向に行こうとした気がしてならないのだけど、ぐっとこらえてもうひとがんばり、目的にかなった接客こそがいい接客といえるのではないか、という話にここはひとつ戻ろうじゃないか。

目的にかなった接客こそがいい接客といえるのではないか。えーと。で?というところですが、ええと。はははv(^_^)v

なんですかね、フヅクエの場合だったらそれってどういう、というところで考えてみる。
特に初めて来られた方に対しては強く意識したり意識しないどころか何も考えなかったりするところなのだけど、この店はちょっとハードルがあるように思うわけなんです、入ってくるまでに。web見るとなんかやたらいろいろ主張したがっているというかアクが強そうというか面倒くさそうというか、という感じだし、いざ向かってみたところで看板ないし、古めかしいビルでさらに階段暗いし、というので、あと店のルールとか、しゃべっちゃいけないとかいうあれでなんかストイックな感じというか緊張感みなぎってるのかな、そういう怖いあれかな、とか、あったりするんじゃないかと僕は思っているのだけど、意外に僕が思ってるだけだったりして、というか僕自身はある種の予防線を張ってるつもりなんだけど、意外にぜんぜん効いてなかったりして、で、だからこそ、そういうもろもろを乗り越えるというかあれして扉を開けて入ってくださった方に対しては全力で安心していただきたいぞみたいな気持ちがあって、「なんかいろいろあれな感じの店ですけど、ここはこうやって入ってこられたあなたに向けて開かれているんです、こんなところまでよう来なさった、ゆっくりくつろいでいってくれなはれ」というこの感じを、貴様に伝えたい、俺のこのキモチを。といったあんばいで。

だからフヅクエの場合だったら接客の特に導入のところの目的というのは「楽に過ごしていただくために安心していただく」というのがいちばん大きいのかなというところで、なので、基本的には生来的に私に備わっている柔和な人当たりやおだやかな笑顔みたいなのを有効利用すればよいのだけど、まあ基本はそれであとはそのバリエーションという感じはするけれど、この目的にかなった行動だったらどれもいい接客とみなしてよいというか、なんかいろいろミスするとか、こぼすとか割るとかキョドるとかど忘れするとか、そういったもろもろものミスみたいなものも、うまいこと利用してお客さんのリラクシングタイムみたいなものを助けるというか後押しする要素みたいなところに持っていけるのであればいい接客の範疇に入る、みたいな感じで。試したことはないけれど配膳の際に白目むいてよだれ垂らして奇声を発するとかも、もしうまく作用させられるのであるならば可、といったあんばいというか。

もちろん目的の全部が全部「安心していただく」かというとそれだけでもなくて、楽に過ごすというモードが過剰に進んだら自堕落に過ごすみたいなふうになったりとか、場や僕への安心みたいなものがただの場や僕への侮りみたいなものに変換されたりとか、あなただけの場所じゃないんだよ、他者いるよ他者、っていうことはありえるので、僕個人もそうだし店もそうだしなめられちゃいけないんだよなみたいなそういう意識はあるので、一定の節度を保ったうえでとことんまでリラックスしていただくみたいな、この空間のパーソナルでありつつパブリックであるという性質の微妙なバランスを保つというか、そういうのは必要よねとは思っていて、だからまあ、それに対して何してるかと問われたら「さあ?」という感じではあるのだけど、いいあれになるようにうまいこと振る舞いたいよねというのは常々。

なにが言いたいかというと、「はて、いったいなにが言いたいのだろうか、そもそもなにが言いたかったのだろうか」ということだ。
なんですかね、目的なき接客はダメだよなーみたいなことだろうか。接客に限らず立ち振る舞い全部なんだけど。いや、というかいろいろな店で見ていてもこちらの目に入ってくる意識にのぼってくる時点で立ち振る舞いって全部接客なんだよっていう意識がない人が多いように見える、とか、あれ、なんのだれに対する苦言だこれ。
いやでもまあほんとそれは常々それ思っていて、その「ありがとうございました」で何を果たしたいの?みたいな、その朗々としたいい声ってなんのために発せられてるの?みたいな、そのカトラリーのやたらガチャガチャ言わせる挙動でどんな印象を与えたいの?みたいな、その強い足音は一体どのような理由で?みたいな。
僕自身あれは失敗したなーとかなんか今日も今日とて気が抜けててなにひとつ考えてなかったなーとか、総じて漫然と生きているというかそういうのはたくさんあるのだけど、なんかこう、そういう「安心して楽に過ごしていただく」みたいな目的を一つ設定しておくと、あれこれの判断をしやすくなるというのはあるよなーというのはあって、細々としたマニュアルに頼る必要がなくなるというか、なんだろうこれもしかして指南?さっき苦言だったけど今度は誰かに指南してるの?あなた誰でしたっけ俺?接客の神様とかでしたっけ?いったいどんな立場からそれを?といった感じになっちゃった。という話でした。

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