本の読める店

増長する頑迷さ

Entry blog fuzkue191

「誰かにとっての最高でも 誰かにとってのクソ野郎
誰にも合わせるつもりはないが 実は誰にも嫌われたくないんだ」(OMSB「Scream」より)

先日の日曜日、「あれれ?」という暇な日曜日で、暇さなあ、暇さなあ、どうしたもんかなあ、と思ってやっていたんですが、前に来てくださったこともある、とても感じのいい方が勉強されていて、途中で「知り合いを連れてくるんでちょっと出ます」つって出て行かれて、知り合いの方こられて、二人で黙々と勉強されていた。
それが嫌で。

フヅクエが定める規定としては勉強は学生さんのテスト勉強じゃなければありで、僕も「がんばれー」という感じで見ているというか思っている。
二人組の方もお話さえしなければどうぞというところで、黙々と本を読むお二人さんとか、僕はけっこう好きだったりする。そのコンセンサス取れてる感じ超いいねーみたいなところで。

だから、二人で来られ、勉強をする、という行為を禁止する条文は法案のどこを見てもないから、集団的勉強権の行使禁止は合憲ですって俺が主張したところで「憲法学者はみな違憲だと言っている」と言われる。いや、たくさんいますよ、合憲だって言ってる人が。何人いるんですか?…10人とか。具体的に挙げてください。僕とか、僕とか、僕とか。3人しかいないどころかあなた一人だけじゃないですか!
みたいなことでしかないのだけど、たぶん初めて遭遇した二人でテキスト等を広げて勉強するという光景が、思いのほかに「嫌だな」と思ってしまって。

何が嫌なのかを考えたときに、なんか自習室っぽい感じになるというか個別的勉強と較べて一気にストラグル感が消える気がするから嫌なのか。あるいは「いいところあるからそこで勉強しようよ」的な誘い合わせ感が嫌なのか。ともかく、「この光景は俺ぜんぜん応援したいものじゃない」と思って。

それでお帰りの際に、お一人での勉強は全然「がんばれー」なんですけど二人で勉強はなんか嫌でした、一人で勉強しに来てほしいです、と伝えた。リアクションの感じからしてなんとなくわかっていただけた感じはあったけれど、全然言葉が足りなくて、どこまで真意というかニュアンスが伝わったかはわからない。

半年以上やっていて初めてのケースだし今後も滅多にないだろうというところで「お二人でのお勉強はご遠慮ください」みたいなあれを設けるつもりは今のところなくて、今後あったらまた帰り際に伝えるんだろうなというところなのだけど、なんかこう、ちょっと前にも「写真は別にオッケーですよ」と言ったあとに「ちょっと撮りすぎ感あるのでそこらへんにしてください」と言ってやめてもらったりとか、「法案にはどこにもそんなこと書いていないじゃないですか、権利の侵害だ。違憲だ」と詰め寄られても「現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけば良いのかという議論を踏まえて、閣議決定をおこなった」とかぬけぬけと答弁し始めそうで、ちょっと怖いというか。
もちろんいろいろな線引は必要だろうけれども、僕の日々増長していく頑迷さみたいなものの暴走になってはいけないというか、いや、難しいところなんだけど。誰にも合わせるつもりはないけれど実は誰にも嫌われたくないんだ。でもやっぱり僕の考える「こういう場所であってほしい」あるいは「作っていきたい」みたいなものを追求していくために引くべき線は引くべきだよねとも思いつつ、せっせと線を引いていたら気づいたら誰もいなくなっていたとか考えたら怖いなとか思いつつ。

金曜日、昨夜に引き続き「あれれ…?」というレベルの暇な日で、そして何が起こったのか、昨日から今日にかけてのこの24時間とかで25件とかのFacebookページへのいいね取り消しがおこなわれていて(これはなんかスパムアカウント的なものがFacebook自体から消されたとかなんじゃないのかとか都合よく思ってるのだけど、そもそもスパムアカウントがフヅクエのFacebookページにいいねとかしないか。なんなんだろう、そんな大勢が一斉に「もう取り消し!」って思うようなこと投稿しただろうか。『サウダーヂ』のこと書いたあとなんだけど、『サウダーヂ』のせいなのか!とか)、「なんだこれ、世界に見放されてんのか!」みたいな気になろうと思えばなれる夜、これが書かれたわけだった。

追記:続きというか→「欲望のあたまかず | fuzkue

photo by 斉藤幸子

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