本の読める店

"fuzkue"とは何か

Entry blog fuzkue181

何かつったらこの写真のソファじゃない方なんですが。

最近立て続けに「なんでフヅクエって言うんですか」ということを聞かれたような気がしていて(もしかしたら思い違いかもしれない)、それでフヅクエとは何か、ということを書こうと思ったのだけど、一行で終わっちゃったようなところもあり戸惑っている。

文机。デジタル大辞泉によると「書き物や読書をするための和風の机」とのこと。
ソファ席のテーブルとして使っている文机は川越のアンティーク屋さんで偶然見かけて、「これからフヅクエって店やるんだし文机くらい店にあってもよかろう」と思って買ったもので、ソファの前に置いたらちょうどよさそうだったので使っている。
古いものでちょっとガタついているというか何かきっかけがあれば簡単に瓦解するんじゃないだろうか、というふうに思っているが今のところ無事でいてくれている。

で、なんで文机というかフヅクエというかfuzkueにしたのかというところなんですが。
なんでそれが思いつかれたのか今や思い出せないのだけど、最初のうち名前の候補は「カラビニエ」だった。ゴダールの映画のタイトルで、一度だけ見たことがあってべらぼうに面白かったということ以外はほぼ覚えていない作品で、カラビニエはカービン銃を持った兵士みたいな意味だったと思うけれども、なんか闘ってそうでいいなと思ったのだったか。幾人かの友だちにも「カラビニエにしようかと思ってるんだよね」と話していたし、ドメインが使えるかとかも調べたし、けっこう本気でカラビニエだった。
「名前なんてなんでも慣れちゃうから」という認識があったことと、「え」で終わりたいような感じがあったことと、あとは時代の流れが日本語の名前だよなーというところでここはむしろフランス語で、みたいな気分だったのだと思う。
しかしまあそれにしても、フヅクエにしてよかったナア!と強く思う。カラビニエとかパエリアとか出さないとダメそうな感じするし、いやなんていうか今となっては失笑ですわ昔の俺。

で、どこかの段階で「カラビニエではないのではないか」と賢明にも思ったらしく、新たに名前を考えた。そのときに使ったのが直前になんかの記事で読んだアイディア出しの方法みたいなやつで、間髪をいれずにひたすら何かを紙に書き出していく、みたいなやつで、否定や肯定をする隙を与えずに連想ゲームみたいに、みたいなやつだった。
それで150個くらいガーッと書かれて、これがまた本当にろくでもなくて、「カラビニエ」から始まって、いくつか行ったところに「そとこと」とあって、それ雑誌の名前じゃないか!となるんだけど、そこから雑誌が続いて「ポパイ」「キンフォーク」「たまゆら(「うかたま」の覚え間違い)」で、「ゆら帝」「ゆらぎ」「そよぎ」「けんしん」と続くとか。その時読んでいた本から「銃・病原菌・鉄」「ピサロ」「インカ帝国」「ゆら帝」と続くとか。

それで「文机」の初登場は70個目くらいで、流れとしては「俺の部屋」「俺のフレンチ」「俺の本棚」「本棚」「ブックシェルフ」「ホンダナ」「ホンジュラス」「書き物机」「文机」となっている。
ホンジュラスで途切れなくてよかったよほんと、という感じで。

こういうのってピンときた瞬間にもうほとんど決定みたいなところあって、最初に「文机」と書かれたところにすぐに「fuzukue」とあって次も「フヅクエ」「フズクエ」「fuzukues」とか、あ、もうこれだ、という感じになっている。

そういうわけで文机がすぐに決まって、表記をどうするか、というところで、なんかアルファベットは使いたくて、そうなると順当にいけば「fuzukue」なわけだけど、zとkのあいだのuによってなんかすごいもっさりして見えて、ザ・ローマ字という感じがして見た目としてキレイじゃないと思って、このuは抜きたくなって、そうやって抜いてみたら「fuzkue」、なんかパッと見なんだかわからない感じがすごいよいんでない?文机っぽさを微塵も感じさせない感というか、真ん中のuがないと後ろのueとかちょっとフランス語っぽさすら感じるというか、Qu'est-ce que c'est?のqueみたいな感じでフズクゥ?みたいな感じにすら見えるというか、
という感じでテンションが上がったためこの表記になって、ググった時に競合するものとかTwitterのID空いてるかとか商標とかも一応見たのだったか、調べ、「fuzkue」なり「フヅクエ」なり、完全なる空白地帯ですわ、うちが全部もらいますわ、みたいな感じになって最終決定したのだったと思う。

そんなわけでした。いやーいい名前がつけられてよかった、と今あらためて思っている、という話でした。

photo by Fieldrecording.tokyo

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