読書の日記(1/15-21)

2024.01.26
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書籍版新作『読書の日記 予言 箱根 お味噌汁』『読書の日記 皮算用 ストレッチ 屋上』が12月22日に発売になりました! 
2月1日には初台にて「会話のない読書会」も開催予定です。
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抜粋

1月15日(月) 

朝ごはんを経て店。ぽつりぽつり。お客さんを見ていたら、僕も本を読みたいなと思う。ゆっくり読んだのは正月休みだけで、始まってみたら今年もやっぱりよくない感じになっている。客席に置いているオイルヒーターが突然つかなくなった。ヒーターの故障なのか電源の故障なのか。とにかくオイルヒーターがつかないとやはりいつもよりも室内が寒くて困る。白湯を飲む。夕方山口くんと交代して下北沢。オンラインストアの梱包と布巾の回収が用事。

1月16日(火) 

佐藤くんとミーチングをしているとブラウニーの話になり、前にブラウニーの試作をやっていたがあれはどうなっているか聞かれた。ずーっと後ろに回し続けるタスクとして所持し続けているというのが僕の答えで、昨日もちょうど「ブラウニーまた焼く」というタスクの期日を一週間後にずらす簡単なお仕事をしたところだった。あれはハロウィンの時期に「俺焼いてみる」とか言って、一度焼いた、もう一度焼こうと設定したまま今に至るそういうもので、話していたら無性にブラウニーを焼きたい気持ちになっていくのを感じたが、今回も安請け合いしたら迷惑がかかる、下手な約束はするべきじゃない、だから今回は下北沢に任せるよ、お願いしますよ、と言ってミーチングを終えた。10分後、スーパーにベーキングパウダーを買いに行っていた。

1月17日(水) 

5階に上がってくまざわ書店で、そろそろ続きが出ているんじゃないか、と思ってのことだった、そしてその勘は当たっていた。コミックのところに行くとすぐに目に入って表紙は月子ちゃんだった。つっこちゃん表紙を飾ったんだねえ! とうれしい気持ちになって、でも実はつっこちゃんだか1年の女の子だか確信が持てない気持ちもあった。どちらもありそうだから。で、それは8巻で、ということは7巻もあるわけだ、こいつはずいぶんなご褒美だ。ジャンプの棚に行くとすぐ見つけられて7巻は体育祭の格好でこゆんとヨータがヒソヒソ話をしている絵だった。ミナトが見たらどんよりするぞ! ウキウキで買って今度は1階の成城石井でパン。ずいぶん調布生活を満喫しているというかトリエを満喫しているものだ。そして館。俺は調布に生きる男。

1月18日(木) 

うどん茹でて食べ、食べ終えると眠気。家のデメリットは眠くなったら眠れる場所があるということでそれに抗うためには意思の力が要求されるわけだ。抗うための意思の力は僕にはなく、長ズボンを脱ぎ、これは本格的な昼寝の予兆だ、それで横たわると『氷の城壁』の8巻を読んで美姫もこゆんもシリアスな涙を流す。みんなに幸せであってほしい! 引っ掻き回す桃香ちゃんを恨めしくも思うが、彼女の満面の笑みの「嫌いだなあ〜」という言葉はどこか清々しい。やばい、続きが読みたい、LINE漫画というやつで読めるのだろうか、課金、今ならいくらでもできちゃう、でも紙で読みたいなあ、この「続きが読みたい」がおさまりますように。そう祈りながら目をつむり、するとすぐに寝入り、途中で遊ちゃんがアラームとか大丈夫? と聞き、大丈夫大丈夫、と言いながら眠り続ける。起きたのは6時過ぎとかだったか。

1月19日(金) 

「空襲があって、地震があって。その街でわたしは学校に行って、働いてたんやな、と思った。あのおばちゃんが長いこと、わたしがまだ体験してない長い時間、見続けてきた街やったんやな」
河田さんの声を聞きながら、優子は、河田さんが見た神戸の街も、そのおばちゃんが見た神戸の街も、自分はまだ知らないのだと思った。
「その人が、わたしに、なんもわかってない二十一、二の子に、助けたるから電話してきいや、って言うたんやなと思ったら、それだけですごいことやと思えて。あのとき言うてくれたことで、今、ちゃんとわたしは助けられてるってわかった」
河田さんの顔は見えなかったし、それほど声が変わったのでもなかったが、河田さんが泣いているのが優子はわかった。
「わたしは、河田さんがその話をしてくれて、その人の言わはったことをわたしに言うてくれて、よかったなって思います」 柴崎友香『続きと始まり』(集英社) p.281
ふと『親密さ』の兄と妹の会話の場面を思い出し、いくつかの記憶と響き合って、また目に涙がにじむのを感じる。石原優子回が終わって本を閉じ、すぐには眠気がなかった。だから眠れないときにそうするように布団についている体の部位を順繰りに意識していくことをやったらたちまち寝た。

1月20日(土) 

この週末は天気が崩れるらしい。積雪という話も聞いたが今日時点での予報だと雨マークで、どちらにしても寒そう。家を出ると雨はまだ落ちてはいなくて猿田彦でコーヒーを買って出勤。着くと階段が真っ青になっていて明るさにのけぞった。やられた。ブライトなブルーで、見事に塗り上げられていた。まばゆい。

1月21日(日) 

今日は一日シフト。前半は戸塚さんと、後半は田村さんと。昼はそこそこだったが夜はすっかり暇で、総じて座っていることの長い一日だったが切れ目なく働き続けてはいてたまに我に返ると我ながらよく働くものだなと思う。田村さんの終わりの時間はレシピを改稿した鶏ハムのサンドイッチをそのテキストをもとに田村さんにつくってもらいつつ写真をどんどん撮って、習得とレシピのテストとレシピ用写真の追加を一石三鳥でやる。おいしそうなサンドイッチが無事できた。
最後のお客さんが帰られたのが10時過ぎで、田村さんとあれこれ話し、僕はビールを飲んだ。帰り、西友で味付きの牛肉を買ってセロリと牛肉の炒め物をつくろうという算段らしい。コンビニに寄ると日本代表のユニフォーム姿の久保建英が表紙の『Number』が見えたので買う。最近は『Number』は買っても読まないことが多い。ご飯の時間はサッカーを見ているからか。
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