読書の日記(11/20-26)

2023.12.01
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抜粋

11月20日(月) 

50分くらいしてやっと呼ばれて先生に伝えるといくつかの考えが先生の頭に浮かび、注射を打ちましょうか、となり、ぜひ、と僕は力強く言う。横の処置室で上裸になって横たわる。右側を下にして横向き。左手は臀部を掴むように気をつけの姿勢。その状態で先生が来るのを待っていると、それだけで左腕に姿勢を維持できないような重い痛みが生じる。先生が来たので追加情報ですと言ってそれを伝えると、もう一度いいかなと一度僕を座らせ、胸鎖乳突筋のあたりを押して、ここって本当に押しても痛くないですか、と聞くのだがやっぱり痛くない。腕に痛みが放散しているということだし、ここが痛いと説明が簡単についていいなと思ったんだけど、と言いながら、じゃあ痛くない場所に打ってもあれだからと、もともと予定していた2箇所に注射を打ち、あまり痛くなかった。起き上がって様子を聞かれ、変わった感じはない、そんなにすぐに変わるものなのだろうか、そうしたら一週間して残っていたら今度はその胸鎖乳突筋のあたりに打ちましょうとなり、それって今打っちゃうという選択はありえますかと聞くと、じゃあ打っちゃいましょうか、となってもう一度横たわって注射を打たれた。鍼を打たれているときみたいな鈍い気持ちいい痛みを感じる注射だった。それを打たれていると打たれながらすぐに左腕の痛みが緩むのを感じた。

11月21日(火) 

どこか雑でいい加減な店で、というリクエストに酒井さんはそれならあそこだ、と駅から少しの古いいなたい雰囲気の居酒屋に案内してくれて外の席に座った。ビールを頼み、それから揚げ物とか焼き物とかを頼んで近況について聞いたり。今年になって酒井さんはNotionをすごく使っているらしく、かつてはなんで阿久津さんはこんなにNotionに執心しているんだろうと思っていたが今になってやっとその意味がわかった、ルールへの考え方とかも、ルールを仮固定することでその先の自由をつくろうとしていることが、とてもわかった、というような話からミシェル・ウエルベックの話になってそこからベルンハルトの話になって僕は『消去』を読みたい、酒井さんは『アムラス』は途中でやめちゃった、「アムラス」はきつかったけれど次のやつが面白かった、今野書店に『消去』売ってたりしないかな、なさそうかな、それにしても今野書店は本当にいい書店だ、入るたびに元気になる、そういう話や店の話をして10時ごろ散会して僕は三鷹経由でバスで帰る。

11月22日(水) 

痛みで起きる。『消去』を読みたい気持ちが持続していて『グロサ』の次が『消去』になるのだろうか、何か軽いものを挟みたい気持ちもある。それにしてもここ一ヶ月くらいのこのゆっくりした読書のペースというのは、ちょっとこれまでにないレベルのもののような気がする。こんなに本を読んでいない時期というのはこれまでなかったはず。まあ先月今月は仕方ないかなー。

11月23日(木) 

とてもとても疲れている。レジ締めをしている途中でNotionが表示されなくなり、すべてのページが「ウップス、なんか変かも」というエラーメッセージのページにリダイレクトされる。直し方を調べることもなくビールを飲んでから帰り、とてもとても疲れている。なぜそこに鞭打つのか、松屋にしようかどうか迷った末に夕飯はつくることにしたらしくて今日も西友に行って今日はすき焼きみたいなものを食べたくなって、それも今日か昨日好きで見ている猫ちゃんアカウントですき焼きを猫が狙い続けて喧嘩になったというのを見てのことで昨日の卵とじもツイッターによる欲望の生成だったから本当に簡単なもので、だから牛肉だけ取ってレジに向かおうとすると春菊が59円で売られていたから冷蔵庫に春菊はまだ残っていたがそれでも買った。59円はすごいからだ。

11月24日(金) 

で、それをやっている中で、だからChromeの設定ページにいることになったわけだが、その中でフォントを設定できることを知って、パソコンに入っている好きなフォントにできるようで、知らなかった。だからA1ゴシックとかも選べた。游ゴシックにするとすごくよくて、ちょっと細身になるのかな、とにかくきれい。これがSafariの人たちが見ていた景色? 流麗。いいもので、Notionでもスプレッドシートでも、游ゴシックで見ると落ち着く感じがあった。Ulyssesは今どういうフォントにしているのか、と見るとヒラギノ角ゴシックで、これも游ゴシックに変えてみたら、やはりぐっとすっきりして、書きながら完成品になっていく、みたいな感じになって、書いたものがそのままウェブサイト上に反映されていく、みたいな感覚。これに対しては少し警戒感を抱いた。きれいすぎて書きづらいみたいなことが起こっても不思議ではないかも。もっとガチャガチャした中で書かれたほうが、ということもあるかも。でもきれいでうれしいからこのままにして家を出、初台、シオール。

11月25日(土) 

年を取ってぶくぶくと太ったレトは実家に引きこもっているトマーティスを訪れる。レトはワインは断りキャンティを所望する。キャンティってワインじゃなかったっけ、そういう清涼飲料水があるのかな、と思ったらキャンティではなくキャンディで飴だった。トマーティスはレトが所持している錠剤について興味を示す。レトがその錠剤をとうとう噛み砕く場面に移り、まさかだったが、感極まるような気持ちがやってきて泣きそうになりながら読んでいると初台に着いて本をしまう。

11月26日(日) 

たっぷり食べてたっぷりしゃべって酔った。帰ってシャワーを浴びると顔パックをしてコタツの靴下を吐いてネックウォーマーもしてすぐに布団に入って『氷の城壁』の6巻を途中まで読み、布団の上でミナトが「「仲良くなりたい」とか「笑ってほしい」とか、そういう綺麗な感情だけじゃなくなってきた」と考えていてすごいメタ認知。そして小雪が熱川と対峙するところでぼろぼろぼろぼろ泣いて閉じて9時だった。
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