岡崎京子『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』(平凡社)

APC_0310.jpg
最近買った本・読んでた本
####岡崎京子『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』(平凡社)
1月29日(水)
あれ、こんな遠いはずはないな、と思って地図を見て戻ると、そのチャイのお店の上がtoi booksのようだった、看板がたしかにあった、入居の店名の札みたいなものも建物の入口のところにあった、上がって、あった、入った。
見ていると何年か前に短い文章を寄稿した、その文章のファイルを先日なにかを整理するか探しているかするときに見かけた、『歩きながら考える』が平置きであって、ここでも昨日と同じように豊かな遅さというか、そういうものを感じるようだった、置かれたテーマ自体がそれぞれに楽しい、テーマごとに並べられた棚を順番に見ていくとなんの棚だったか、記憶がどうの系だったか、「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」という文字列があって、
「あっ」
と思った、岡崎京子のそれはエッセイ集のタイトルで読んだのは大学生の最初のころのほうだった、無印の無地の四六版みたいな大きさの厚めのノートというか本を模したようなノートに読書の感想をつけていたその時分で、タイトル以外は忘れてしまったけれどこの言葉はずっと僕の中で残っていたというか、残っていたし、はみ出すというか染み出すというか、十何年にわたって僕から漏れ出ていった、そういう言葉だった。
・・・