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今日の一冊

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ウラジーミル・ナボコフ『ディフェンス』(若島正訳、河出書房新社)

2017年12月3日
朝から『ディフェンス』を読んでいる、昨日の夜けっきょく持ち帰ってソファに寝転がり読み始めたそれは、まだこれからだったがずいずいと面白くなる予感があって、少年がとうとうチェスと出会った、そういう場面で眠った。朝から『ディフェンス』を読んでいる、ふだんは野球の記事なりを読みながら食べる朝ごはんのとき、開店前に外で煙草を吸うとき、『ディフェンス』を読んでいる、なんだか前触れなく小説に飲みこまれたようなこの展開に笑う。

ルージンが雑誌に載っている棋譜を並べながら思い出したのは、父親がよく食卓で誰かに語っていたことで、義理の父親がどうしてあんなに何時間も楽譜を読み、音符に目を走らせ、ときには笑みを浮かべ、ときには眉を寄せ、そしてときどき小説の細部(名前とか、一年のうちのいつとか)を確認しようとする読者みたいに後戻りしながら、頭の中でその曲の旋律をすべて聞き取れるのか、自分にはわからないと言っていたものだが、あのとき羨ましく思った才能が自分にもあることをルージンはすぐに知るようになった。 ウラジーミル・ナボコフ『ディフェンス』(若島正訳、河出書房新社)p.55,56

Amazonにあるのは2008年に出た新装版かなにかなのだろう、僕が持っているのは1999年に出たものだ、それにしても誰にもらったのか、『小説の自由』とかをくれた方だったろうか、なんとなく違う人の印象があるが、これだけをくれた方があったような印象があるが、誰だったか、誰か、年長の男性。

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