今日の一冊

2019.11.09
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####セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』(寺尾隆吉訳、水声社)
2017年11月9日
『ただ影だけ』を読んでいても胸騒ぎを覚え、すぐに閉じる。イラレをいじる。なにかやらないといけないことってなかったっけ? なかったっけ? と思うが、またどうでもいいニュース記事を読みに行ったりしてしまう。なにかやらないといけないことってなかったっけか。なにもなかったっけか。なにをしたらいいんだっけか。まったくわからなくなっている。なにか。ありませんか。だれか。人違いの処刑。ニコデモ司令官はつまらないことを言った。
歴史を押し進めるのは、そうした細部ではなく、事件の全体なのだ。革命のように、様々な出来事がめまぐるしく展開する一大事件ともなれば、そうした小さな過ちや行き過ぎ、不当行為は忘却に葬り去られる、英雄的偉業も同じだ、歴史は恩知らずで忘れっぽいからな、歴史を押し進めるような偉業だって、誰も証人がいなければ後世に語り継がれることもない。 セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』(寺尾隆吉訳、水声社)p.112
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