今日の一冊

2019.10.30
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####植本一子『降伏の記録』(河出書房新社)
2017年10月30日
11月18日(金) 晴れ
今日から日記を書き始める。久々に河出の岩本さんと打ち合わせ。自分からやりたいと思わないと進まない文章の仕事というのはタイミングがあるものだけど、今日やっと岩本さんの提案とわたしの出来ることとやりたいことが合致した気がする。機は熟した。メモ的で粗くてもいいと言われたので、本当にざっくりと書いてみようと思う。そのうち新しいスタイルが作れたら良い。
打ち合わせ中、やはり雨宮まみさんの話題に。昨日の訃報から雨宮さんの連載なんかをいくつか読んだけど「心を削って書いている」というようなことがあって、本当に人ごとではないなと思ったのを思い出した。いつかどこかで会えるかもしれなかったから、というのもあるけれど、やっぱり近いものがあったから訃報にはかなりショックだったし、恐ろしかった。雨宮さんには『かなわない』が何故受け入れられなかったのだろう、とふと考える。今となっては本人に聞けないから真相はわからない。 植本一子『降伏の記録』(河出書房新社)p.9
それで面白い、面白い、と読んでいるとフヅクエの名前が出てきた。フヅクエで植本さんが原稿を書いている、そういうことが書かれている場面を読んでいるあいだ、なんだかドキドキした。
この本で言及されるということは知っていた、ときおり来られて原稿を書かれていた、パソコン使用のルールを変更したときに「すいませんタイピング活動をほぼ不可に変えたためフヅクエでこれまでのようなパソコン使用はできなくなります」と連絡をした一人が植本さんだった、それに対して植本さんは「これからは読書の聖地となりますね!」とあたたかく、なんというか受け入れてくださったというかあたたかい言葉を掛けてくださった、そのしばらくあとに今度出る本にフヅクエの名前が何箇所か出てくるのだが読んだ人が今もパソコンを使えると思って行ってしまうんじゃないかというおそれもあるがどうしましょうか、という連絡をいただき、僕はそのままでいいと思います、行こうとして検索してWebを見たらわかる話だし、そんな理由で文章が書き換えられるのは申し訳ないし望むところではないし、ということを返したが、「植本一子の日記にフヅクエが出てくるとかとてもほまれ。俺がそれを見たい」というのが正直なところだった。
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