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Entry 0731

ブレイディみかこ『子どもたちの階級闘争 —— ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)

2017年7月31日
ともかくブレイディみかこを読んでいた。とっても面白い。すごく面白い。わーそうですかーイギリスはそういう感じですかー、というので鱗が目からぽろぽろと落ちるようだった。ソーシャル・アパルトヘイトであるとかソーシャル・レイシズムであるとかものものしい言葉が出てきて、あー、なんかすごいな、そうかー、と思いました。

だが、こうしたお母さんたちはわたしには優しかった。保育園で唯一の外国人保育士だからである。ブライトンでも特に同性愛者の居住者が多く、リベラルでヒップで進歩的と言われている地域の保育園のことである。こんなところに子どもを預けている「意識の高い」お母さんたちには、外国人差別などというポリティカル・コレクトネス(PC)に反することはできない。であれば、どうして自分より恵まれない環境で育った人のことはあからさまに差別できるのだろう。それは「外国人を差別するのはPCに反するが、チャヴは差別しても自国民なのでレイシズムではない」と信じているからだ。これがソーシャル・レイシズムというものの根幹にある。 ブレイディみかこ『子どもたちの階級闘争 —— ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)p.8,9

「チャヴ」というのは「公営住宅地にたむろっているガラの悪い若者たちのこと」だそうで、「英国社会の荒廃を象徴する言葉と結び付けられてきた層」だそうだ。
なんというかその、この文章とかをミドルクラスのそういうお母さんたちに読ませてみたらどう思うのだろうというか、恥ずかしくなって怒ったりするのだろうか、それともそんな意識は認めないのだろうか。と思った。ともあれとても面白くて、今朝店に着いてからもひとつ読んだり、そういう「読みたい読みたい」になって読んでいる。

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