今日の一冊

2019.05.01
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####歴史的記憶の回復プロジェクト編『グアテマラ 虐殺の記憶——真実と和解を求めて』(飯島みどり、新川志保子、 狐崎知己訳、岩波書店)
2017年5月1日
そうしていたら夜が更けていって、書く気なんかはとっくに失せて、9時には誰もいなくなって、経理をやっていた、経理をやったあと昨日の夜中になぜかトイレで「そういえば」と思い出してAmazonでポチって届いた本を読んでいた。これはオラシオ・カステジャーノス・モヤの大好きというか僕にとってエポックだった『無分別』の題材になっているグアテマラのマヤ民族虐殺についての報告書の、たしか抜粋だったと思う、ずっと読んでみたいと思っていたのだがずっと買っていなかった、それがなぜか、昨夜トイレでポチられた、それを読んでいた。「REMHI(レミー)」と呼ばれる、「人権侵害被害者の証言を収集した「歴史的記憶の回復プロジェクト」がどのように進められたのか、のところにこうあった。
全国のカトリック司教区が協力する形で、「アニマドーレス」(animadores de reconciliacion)と呼ばれる650人の調査員が紛争犠牲者の聞き取り調査を担った。アニマドレースとは、「勇気づける人々」、「働きかける人々」を意味し、文化や言語、恐怖の体験を紛争犠牲者と共有する、村々の志願者のなかから養成された。アニマドーレス自身が犠牲者であったケースも少なくない。
歴史的記憶の回復プロジェクト編『グアテマラ 虐殺の記憶―真実と和解を求めて』(p.11-12)
2番めだけ「アニマドレース」となっているのは誤植だろうか、ともあれ、学者であるとかでなく村々の志願者が聞き取り調査をおこなったということに心動かされるというかゾクゾクするところがあったのだけど、animadoresの意味がとても素敵だった。勇気づける人々、働きかける人々。働きかけることは、そうか、勇気づけることなのか、と、なんだかとてもぐっとくるというかゾクゾクするところがあった。
まったく暇なままに一日が終わり、白白とした光の下に出て『民のいない神』を開いていた、するとページを抑えるために突っ張った両手の親指がやけに黄色く見えて、肌が黄色くなる症状、黄疸とか?と思って不安になった。デイトンが嘘をついて先住民の男が追い詰められようとしている。俺は昔の人間の走り方を心得た。どんどんとズブズブと面白い。金麦ではなくサントリーのブリュワーズなんとかというシリーズらしいビールを買ってみて、飲みながら、興奮しながら、夜が更けていった。声が聞こえていた。その声が言っていることはどうやら恐れるな!ということらしかった。砂が中央に吸い寄せられていくように眠気の穴のなかに落ちていったら闇になった。
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