今日の一冊

2019.04.03
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####山下澄人『しんせかい』(新潮社)
2017年4月4日
新宿の紀伊國屋書店に行ったところなんとなく日本の小説を読むことにしようと思ったため柴崎友香の『かわうそ堀怪談見習い』と山下澄人の『しんせかい』を買った。「なんとなく日本の小説を」ではなくもともと柴崎友香の『かわうそ堀怪談見習い』を買おうと思っていて手に取ったら「じゃあもうひとつくらい日本の小説を」と思ったために山下澄人が取られたというのが正しい流れだった。山下澄人は読んだことがないので楽しみだと思った。
それの前に僕はそばを食べたしそばの横にはかき揚げ丼があった、それはその日最初の食事で僕はお腹がいっぱいになった。厨房のなかで働いているおばちゃんが「外国人が」「外国人が」と言っていて、なにかと思った。僕の右隣には日本語が母語ではなさそうに推察される、しかしそんなのはただの偏見かもしれない、そういう様子の人がそばを食べていた、ヘッドホンは食べているときは外して首にかけていた、邪魔にならないといい。彼が日本語が母語ではなさそうに推察されるもしかしたら最たる根拠になっているのは半袖姿だったことかもしれない。たしかにあたたかな日だったが、そこまで暑くはないだろう、という指摘が、意味をなさない、それが、彼だ。
たしかにそれはそばを食べたということだった。しかし実際はそれの前には僕は電車に乗って初台から新線新宿駅までをわずか2分ほどで走り、そして地上まで一生懸命に上がった。外を歩きだしてふと「ルミネのなかに」と思ってルミネのなかを歩いたところすぐにToday's Specialというかトゥデイズスペシャルが見当たって、そこでこれまで買ったことのないハンドソープがあったからそれを買うことにした、それはこの日のタスクを一つこなしたということだった、元々は伊勢丹の地下2階だかにいって何かを探す予定だったところが、道の途中でこなせてラッキー、つまり幸運だった。それでそばを食べたところ日本語が母語ではなさそうに推察される、しかしそんなのはただの偏見かもしれない、そういう様子の若者が厨房のなかで忙しそうに働いていて、僕の右隣に座っていたおばちゃんはそばをすすりながら彼から目を離すことはなかった。そばを食べ終えて立ち上がったおばちゃんはトレイを持って返却口に向かい、その途中で歩を止めて青年に声を掛けた。おにいちゃん、と言った。あなたを見ていると息子を思い出すと、そういうようなことを話していた。青年はやさしげな笑みを浮かべて立っていた。僕はトレイを返却すると話し続けるおばちゃんの後ろを通って店の外に出た。
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