本の読める店

会話のない読書会 滝口悠生『高架線』

Entry dokushokai12

読書会案内

「会話のない読書会」は「同じ本を同じ場所で同じ時間を共有して見知らぬ人たちと一緒に読む」、という読書会です。
読んだあとに参加者同士で話し合ったりもせず、ただ黙々と、好き好きに飲み食いしながら本を読む、ただそれだけが、なんだかすごい濃厚かつグルーヴィーな体験に、なれ、みたいな企てです。
「読もうと思っていたところで」「これを機に読んでみようかな」「全然知らないけど試しに」等々、いろいろなスタンスの方が参加してくださったら楽しいな、と思っています。
(参考:開催後記:参加の方のご感想等

会話のない読書会
日時 10月2日(月) 20:00~22:30
open19:30 / close24:00
場所フヅクエ
読む本 滝口悠生『高架線
(本はご用意ください)
料金 1,500円
「2ドリンク」or「1ドリンク+つまみ/ケーキ」。
(+300円/500円で「1ドリンク+軽食/食事」に変更可。当日のお申し出で大丈夫です。)
定員 10名
予約 メール 、あるいはFacebookTwitterのメッセージから
内容 「読む本」を読みます。
適宜飲食物をオーダーしつつ、飲み食いしつつ、自分のペースで読みます。
この日から読み始めるでもいいし、この時間で読み終わるような箇所まで進めて来るでもいいし、再読するでもいいし、好きなように読みます。
途中で疲れたらしばらく他の本であるとかに退避可。外出しての休憩も可。映画館同様途中で帰るのはできるだけ我慢。
22時半で終了のお知らせ。
閉店時間までは残って読み続けてもいいし人と話してもいいしもちろん帰ってもいい、という感じです。

「会話のない読書会」第12回は滝口悠生の『高架線』を読みます。
2015年の芥川賞を受賞した『死んでいない者』で僕は初めて知って読んで、「あ〜、これは〜〜」という感じですごい好きな感じで、それから前の作品を読んだりしていたところ先々月くらいに出た連作短編集『茄子の輝き』が、ちょっと「あ〜〜〜、これは〜〜〜〜〜www」という感じですごい食らったでした。食らったため、店で売ることもしていたんですが、それよりも人に「茄子の輝きがすごくよかった。なので読んでみてはいかがでしょうか」ということをわりと何人かの人に言ったということは僕の行動としてはわりと珍しかった。どうもとても食らったらしかったし、なにかいちいちとてもぴったりと来る調子で、『茄子の輝き』で一気に僕の中でスターダムにのし上がった感のある滝口悠生。
どの作品を読んでも感じるのは風通しのよさみたいなもので、「あ、なんかいい風」という風が吹いている感じがして、すごくずっと読んでいたい触れていたい感があって、好きです。
『高架線』がどんな作品なのかはまったく知らないですが、『茄子の輝き』読んで「最高」となって9月にまた出るということを知ったため知った瞬間に次は読書会これだな〜と思っていたので今回そうなった次第。そのためこぞってご参加ください。

以下は『茄子の輝き』のラブなくだりの一つです。

いちど弾いてみないと、その日、その場所でギターからどんな音がするかはわからない。でも、いちど弾いてしまったら、はじまってしまったら、それがどんな音でも次の音を続けないといけない。歌うことも同じ。声を、出してみる。出たら、次の声を出す。
千広くんがいつかそう言ったそのことに、私はとても感動した、と千絵ちゃんは言った。
(...)
私は島根に行ってから、だいたいそういう生活を送るようになった。半年前には思いもよらなかった自分のそんな生活を顧みて、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんのことを、本当はまだ私の親や祖父母ではないのに、そう呼ぶと、呼べば呼ぶほど、彼らへの親しみもこの家やお店のしごとに対する愛着も増していくような気がした。慣れなくてよくわからないことや、疲れたり、いやだなと思うことももちろんたくさんあったけれど、場所が変わって、生活が変わると、生活のなかの楽器も変わって、私はここで弾けるようになったその音や音楽が東京でそうしていたよりも好きな気がしている。 滝口悠生『茄子の輝き』(p.190-194)

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