日時 |
10月2日(月) 20:00~22:30
open19:30 / close24:00 |
---|---|
場所 | フヅクエ |
読む本 |
滝口悠生『高架線』 (本はご用意ください) |
料金 |
1,500円 「2ドリンク」or「1ドリンク+つまみ/ケーキ」。 (+300円/500円で「1ドリンク+軽食/食事」に変更可。当日のお申し出で大丈夫です。) |
定員 | 10名 |
予約 | メール 、あるいはFacebookやTwitterのメッセージから |
内容 |
「読む本」を読みます。 適宜飲食物をオーダーしつつ、飲み食いしつつ、自分のペースで読みます。 この日から読み始めるでもいいし、この時間で読み終わるような箇所まで進めて来るでもいいし、再読するでもいいし、好きなように読みます。 途中で疲れたらしばらく他の本であるとかに退避可。外出しての休憩も可。映画館同様途中で帰るのはできるだけ我慢。 22時半で終了のお知らせ。 閉店時間までは残って読み続けてもいいし人と話してもいいしもちろん帰ってもいい、という感じです。 |
いちど弾いてみないと、その日、その場所でギターからどんな音がするかはわからない。でも、いちど弾いてしまったら、はじまってしまったら、それがどんな音でも次の音を続けないといけない。歌うことも同じ。声を、出してみる。出たら、次の声を出す。
千広くんがいつかそう言ったそのことに、私はとても感動した、と千絵ちゃんは言った。
(...)
私は島根に行ってから、だいたいそういう生活を送るようになった。半年前には思いもよらなかった自分のそんな生活を顧みて、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんのことを、本当はまだ私の親や祖父母ではないのに、そう呼ぶと、呼べば呼ぶほど、彼らへの親しみもこの家やお店のしごとに対する愛着も増していくような気がした。慣れなくてよくわからないことや、疲れたり、いやだなと思うことももちろんたくさんあったけれど、場所が変わって、生活が変わると、生活のなかの楽器も変わって、私はここで弾けるようになったその音や音楽が東京でそうしていたよりも好きな気がしている。
滝口悠生『茄子の輝き』(p.190-194)