すべては読書のために

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店の売りを明確に、みたいなところで「読書×~」の「~」を昨日は探ってみたのだけど、まあどこにも進まなかった。進ませる気すら感じられなかった。
考えるのを放棄することは胸を張れることではないけれども、無理に掛け算しなくてもいいかな、みたいな気にもなってきた。
というか、この店の軸はやっぱり読書で、すべてが読書空間としてどうしたら快適になるか、を考えられて作られている、つもり。少なくとも方向性としては。
読書するなら、静かな空間がやっぱりベストだよね、というので会話ご遠慮にしている。
読書するなら、お酒を片手にとか贅沢だしそんな時間過ごしたいよね、というのでお酒をあれこれ用意している。
読書するなら、おいしいコーヒーと一緒がいいよね、というので一番気に入った豆を仕入れている。
読書するなら、お腹がすいたらご飯食べられるといいよね、というのでご飯もお出ししている。
読書するなら、快適な椅子がいいよね、というので僕はハイスツールで両肘を机に置いてちょっと前のめりみたいなのが好きなのでハイスツールを並べている。
読書するなら、横の席と近すぎると気になるよね、というので席間を大きく取っている。
読書するなら、ソファで読みたいときも多々あるよね、というので寝っ転がっても読める二人がけソファ、ゆらゆらできたり足を伸ばせたりするロッキングチェア、もうちょっと背筋を伸ばせるなんとかソファ、を置いている。
読書するなら、ソファ席の机は前じゃなくて横、手を伸ばしたらすっと取れるところがいいよね、というのでなんかいいポジショニングを探している(二人がけソファの席は前に置いちゃっているけど)。
読書するなら、たまに外に体を伸ばしにいったり、タバコ吸いに出たり、お尻が疲れたら席を変えたりしたいよね、というのでそういったことを明示している。
えーと、そのくらいだろうか。ちょっとこれ以上は思い浮かばなくなっちゃったのだけど(何かを列挙するということがすごく不得意)、とにかく店のあれこれを考える基準は「どうしたら読書空間としてより快適になるか」だ。
今の状態がベストだとは全然思ってはいなくて、スツールのところの足置きを作らなきゃなとか、ソファ席ちょっと暗いって声もあるし照明もう一つ要るかなとか、バゲットは硬いから音鳴って食べにくかったりするかもなとか、色々カスタマイズしていかなければいけないと思っているのだけど、まあ一つ一つ、少しずつ、より快適な読書空間を目指していきたいよね、と思っている。
そんなわけなので、掛け算、惹句として、印象づけの道具としてあると便利だろうなとは思うのだけど、ま、なくても別にいっか、となった(また考え始めるかもしれないけど)。
ひとまずは、「すべては読書のために」というところだ。