本の読める店

12月9日

Entry blog fuzkue309

22時半、やることがひとつもなくなったのできょうのにっきでもかくことにした。

朝、起きにくかった。
昼、特にあれだなあと思ったため、あと砂糖を買いたかったため新宿に行った。京王百貨店8階の富澤商店に行った。エレベーターに乗り込んだのは僕と若そうな女で、先に女が入ってそのあとに僕が入った。扉前の両サイドにひとりずつ配置された格好だった。当初女がエレベーターマスターを務めたが、すぐにその役割を放棄したらしく一心不乱にスマートフォンの画面を見ていたので代わって僕がエレベーターマスターの役割を担った。開く、閉じる、そういったボタンを押した。
途中の階で女がいなくなった。僕は予定通り8階で降りて富澤商店で砂糖とホワイトチョコとマカダミアナッツとマスカルポーネを買った。マスカルポーネがあったので保冷剤をつけていただいた。ありがたかった。

そのあとGUCCIのビルに行って川内倫子の映像のインスタレーションを見た。GUCCIのビルのエスカレーターは長かった。GUCCIのビルに自分が足を踏み入れる日が来るとは思わなかったので記念に財布を買おうかと思ったがやめた。GUCCIのビルで働く人全員が「一見してこいつは展示を見に来たやつ。財布の中身はせいぜい5千円」と判断したが、それでも「いらっしゃいませ」等の掛け声は忘れなかった。ありがたかった。
展示を見た。展示のところに立っていたスタッフの方は「写真撮影OKですがフラッシュはNG」と説明してくださったのでありがたかった。展示は面白かった。光ってるやつと虹のやつとかが好きだった。あと雲のやつとか。長い時間見ていたら砂糖等によって重みをましたリュックによって肩が疲れた。
見終えたので「インスタにあげちゃうぞ〜」と思って写真を一枚撮った。「マナーカメラ」という音が出ないアプリのやつで撮ったので音が出なかった。ありがたかった。長いエスカレーターをおりて外に出た。
インスタでも「写真家の人はあれだな〜」と書いたのだけど、写真家の人はふだんはどんなふうに世界を眼差しているのだろうなと思った。今これ新宿おれぜんぜん好きじゃないけど、すごい面白く見えているのだろうか等。

自転車に乗った。GUCCIのビルから左のほう行ってちょっとカーブして左折すると線路か何かくぐってまっすぐいく。
そのあとの、5車線くらいあるところで、5車線だとして、一番左は問題外で、次の2つもちょっと違くて、本当なら右の2つのレーンが向かう道に行きたいのだけど、車の流れであったりでいつも中途半端な進路を取ってしまうが、どうしたらいいのか、と今日も思った。
また、右の2つのレーンの道を自転車が走行しても問題ないのか。
先月、運転免許証の更新で僕は前回更新を忘れて失効させた身なので初回更新者講習でみっちり2時間、講義を受けさせていただいたのだけど、終わってから僕は講師の方のところに行き、自転車の走り方について質問をした。快く答えてくださった。ありがたかった。
左折専用のレーンがある3車線道路とかで直進したい場合にはどこを走っているのが正解なのか、という疑問だった。左のレーンでいいそうなのだが、左のレーンをキープレフトな感じで走っていると後続の車が「こいつは左折するはずだ」と思い込んで僕直進、車左折で巻き込まれるというか不慮の死を遂げることにならないか、不安を抱えていた。そういった不安を抱えないで済むように真ん中の車線に行くのは可なんですか?と問うたところ、ダメではないけど、うんぬん、という、わりと煮え切らない感じだった。キープレフトが原則だから、うんぬん。事故した時に不利になるかも、うんぬん。自転車はむずかしい。

そのため曖昧な進路を取った僕は新宿の高層ビル群のあいだを適当に走った。すると初台に着いたのでドトールに入って珍しく喫煙じゃない席に座って本を開いた。休みだった月曜日に大喜びで買ったベン・H・ウィンタースの『世界の終わりの七日間』は翌日には読み終えられてしまったため(たいへん面白かった)、リカルド・ピグリアの『人工呼吸』が開かれた。いくらか読み進められた。
2時過ぎになったため定食川越に戻ると川越さんは開口一番に「悲惨でしたー」と言った。ありゃりゃーと言って、必要な仕込みを検討した結果、あまり仕込みをしなくていいことになって喜びが湧くのを感じた。売上が上がらないなら上がらないで、「お、やること少ない」とか言って喜べる自分の怠惰さを祝福したい。

いくらかの買い出しに行き、戻り、定食のおかず等の仕込みが少なかったため、ショートブレッドの仕込みを始めた。ショートブレッドの成形がとにかく苦手なので「苦手だなあ」と思いながら作った。任務を終えた川越さんが賃金を手に帰っていった。いくらか仕込みをおこなって、昼飯を食ったところ、眠くなった。「今日もいっしょけんめいに暮らしているから疲れてきたのかな」と思った。4時になり、仕込みは半分ほど残っていたが、「身体の声に耳を傾けてみるのもまた一興」と思い、5時までだぞ、と自分に言い聞かせ、昼寝をした。起床後、残りの仕込みや掃除をおこなったら6時になったので店を開けた。

6時半ごろ最初のお客さんが来られ、紅茶を淹れた。それからサンドイッチを作った。
やることがなにもないと、インターネットを閲覧しているなかで出くわした記事等の文言等から妄想が膨らむ等して笑いがこみ上げてくることが多々あり、ただ、笑っていい状況ではないため、笑いをこらえているという場面がしばしば見受けられる。今日も何かで非常に大きな笑いの渦が巻き起こったため、「これはいかん」と思い、クッキーを焼くことにした。今日買ってきたホワイトチョコとマカダミアナッツを使いたかったのでその2つを使ったクッキーを焼いた。その途中でご注文があり、レモンスカッシュを作った。クッキーは美味しく焼けた。
9時ごろお客さんが来られ、コーヒーを淹れた。22時に帰られた。最初の方も続くように帰られた。「そして誰もいなくなった」と言った。

紅茶、サンドイッチ、レモンスカッシュ、コーヒー。

22時過ぎ、洗い物をしていると、気がついたときには「アヌーク・エーメ」と連呼していた。様々な声音で「アヌーク・エーメ」と言っていた。

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