本の読める店

今日だけあります

Entry blog fuzkue280

バカみたいに長大なメニュー表とは別に、写真にあるみたいな1枚ペラか多くて2枚とかの、最近作ったものだとか仕入れた酒だとか変わったことだとかを記した紙を作って、お水をお持ちするときに一緒に渡すことにした。今日から。

これまでは変化であるとかにまつわる宣伝というのはもっぱらSNSであったりブログであったりでおこなうだけで、店内でそれを知る手がかりというのがなかった。

新しいジンやスコッチを仕入れたとして、かぼちゃのケーキを焼いたとして、それは印刷されて差し替えられてかつてからあったかのような顔を見せるか、オンラインでそういった情報を知った方だけが「あれまだあります?」とか言って僕が「ありんすよ」とか言うか、という感じだった。
わりとそれでいいのではないかしら、と思っていた節があったというか、SNS等でチェックしてくださる方というのはフヅクエにより強い興味を持ってくださる方だから、そういう方々により楽しんでいただくみたいな感じで十分なんじゃないのか、と思っていた節があったのだけど、なんていうか、ブログの更新頻度とか、文字量とか、多すぎるじゃないですか、あまりに、そんなのいちいち追っていられないよっていうのってすごいあるじゃないですか、行く前に前行ったときから今日までのあいだで何があったかとか遡って全部読むとかちょっと無理があるじゃないですか、しかも関係ないこと書いてる方が多いみたいな読んでみたけどみたいな徒労感とかすごいじゃないですか、それでたまに見るけど見逃したみたいな方がいたときに、かぼちゃのケーキあるって知ってたら食べたかったのに、知る手立てないっていうのってなんか違うというか、違うじゃないですか、あ、違ったんだ、と思ったじゃないですか。

それでオフラインで、というか店においてでも、最近の変化であるとか動向であるとかが知れるようにしよう、という感じがあり、あとは「この店もいろいろ動きありんすよ、停滞してないでやんすよ」みたいなアッピール活動にもなったりするのかな、それがどんな意味を持つのかはわからないけれど、というところもあり、っていうところだった。
なんかあと、コーヒーとか、10日おきとかで切り替わるわけだけど、10日くらいだったらまあそんなではあるのだけど、わりと頻繁に差し替えるのって手間なんだよな、動くものは別の形で見せられないかな、と不便を感じていたところもあった、っていうところだった。

それで、「最近のあれこれ」と書かれたものを作ったと。じゃあこれ、どんな頻度で刷新されていくのだろう。今日とか20151008とか日付け入れちゃったけど。と考えたときに、なんか絶え間なく何かしら作ったり仕入れたりしていないとすぐ停滞しそうというかコーヒーしか動きませんていうことにいとも簡単になりそうっすよねーというのも非常にあって、だからこれを作ってみたのは、わりとちょっと絶え間なく「普段はないこれが今日はあります」みたいな事態を店に招こうとする何かしらの表れなのだろう。これは大変なことを始めてしまったかもしれない。すぐに撤廃するかもしれない。
あるいはまた増長というかなんか無駄に調子づいていってその場所を紙面として天声人語みたいなやつ日々書き始めたりして。天声人語みたいだったらまだいいかあれだけどただの日記帳みたいになっていって今日の僕の体調とか気分を知らされるお客さんの気分を想像すると非常になんというかおぞましい。「今日はすごく気持ちが塞いでいます」とか。それを知らせて一体、というか。まいいや。どうでもいいや。そんなことにならないといい。

で、まあ、そういうあれこれ、ていうことをやっているときに、かつて下北沢にあったチクテカフェのことを思いだしたりした。インタビュー記事か何かで、オーナーの方が「あれこれ作るより定番を作り続ける」みたいなことを言われていて、なんかそういうどっしり感っていうんですかね、かっこいいっすよねと、定番ドーンという構えはなんか凄みあるよねと、ここ数週間だけとは言えふわふわとあれこれメニュー改良とか称してどうこうやっている身としては思うところあるというか、考えるところある。

どっちがいいって話ではないのだろうけれど、なんていうんですかね。まあなんか、楽しい方を取るしか僕にはできないかな。いろいろやるのが楽しい時期だったらいろいろやればいいし、ひとつを深くなんかしたい時期なんていうものが俺に訪れるなんてことがあるとはとても思えないけれど万が一にそれが訪れたならばそれをやればいいし、何もしたくなくなったら何もしないをすればいいし、という最後はくまのプーさんみたいなことになっちゃったけど、まいいや。いろいろ。

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