本の読める店

リズムがない

Entry blog fuzkue212

もう遠い昔のことのように思えるけれどもあれはいつごろのことだっただろうか、「残り2席です」「あ、埋まりました…」「もう大丈夫そうです」等の警報や警報解除をコンスタントに流していた週末は。
その時分だったのだろう、メニュー表の一枚目のページにも「ときどき満席になります(最近だけかもしれませんが…)」という項目がある。「何も気にせず心ゆくまでゆっくりしていってください」と。本当にそれ「最近だけ」だったんだねー、と最近思っていて、最後に警報めいたものを発したのはいつだったろうか。
ここ何ヶ月も、そんな週末は訪れず、まあそれはそれで、と思っていたし、今日開店前の時間にふらっとやってきた父親と話しているときも「最近は日曜も実にゆったりなもんですわ」ということを言っていた。それがどういう文章になるかはわからないながらも、週末はもうまったく満席とかそういう気配ないので、あの予約のやつもやめにしようかと思いますよ、みたいなことを、ゆったりした中でコーヒーでも飲み飲み今日は書こうかと、そんなことを思っていた。

そうしたらなんですか、そういう日に限って、あとちょっとで満席、みたいな状況になってそれがわりと続く、みたいな、うわーこんなん久しぶりっすわーなんかほんと久しぶりっすわーなんかほんと、と思いながら、でも警報は出さないもんねーまだ大丈夫だしきっと絶対大丈夫だから出さないもんねーみたいな、貴様は本当にいったい誰と闘っているんだ?と問いただしたい、そんな時間を過ごしたわけだった。
僕は日常的にはTaylor Deupreeがたいへん好きなんですけど、今日はなんだか営業終わったらアップルミュージックを駆使してTaylor Swiftのアルバム聞くんだーそれがなぜか知らないけどすごい楽しみなんだーオニオンなんちゃら味のプレッツェル買いに行ったついでに買ったベーコンチェダーのプレッツェル食いながら酒飲みながら聞くんだーそれがなんだか楽しみなんだー、と思いながら過ごしたわけだった。なんか知んないけどすごい聞きたいんですよ今テイラー・スウィフトを。元気ください!というか。元気なんだけど。

まいいや。それでまあしかしなんというか常々思うのだけど、10席の店なんてそもそもそんなものなのかもしれないけれども、この店にはリズムというものがない。
お客さんがやってくるリズムもないし、オーダーされるもののリズムもない。今日なんかは多くの方がご飯を召し上がった一方でサンドイッチとかパンのたぐいは一つもなかったし、おーみなさんお酒飲まれるのねーみたいなこともあれば、今日は徹底して喫茶な感じなのねーみたいなこともあるし、ケーキ全然出ないなーという日もあれば、焼いたばっかりなのにまた明日も焼いた方がいいのかなこれみたいな日もある。

ええと。

先述の通り父親が今日やってきて、話している中で、よく知ってるなと感心したのだけど、「今度トークショーに出るんだってな」と言ってきて、あれは「ショー」なのかな、「トークショー」って久しぶりに聞いた気がするな、と思いながら「あああれね、なんだかね」みたいなことを返すと、「わかりやすく話さないとなあ。あんな何が言いたいんだかわからないような文章みたいなのじゃなくて、ちゃんと伝わるように」とアドバイスをいただいた。「あんまりわかりづらいって言われることないけどねえ」と僕は強がったけれども、今日とか、僕自身が何が言いたいのかわかっていないで書いているわけで、そりゃあ伝わるも伝わらないも、こっちも何もないんだよ、と言いたい。

そっか、そういえばSNSにおいては既報なんですけどこちらでは未報だったんですけど来週の祝日に「本屋B&B三周年記念 本屋大放談」というイベントの「本を読むためのあたらしい場所」というあれでB&Bの内沼晋太郎さんと森の図書室の森俊介さんとあれします、ので、僕は話すよりも打鍵している方が自由になれるタイプなのできっとあれなことになるだろうなあという気しかしませんけどあれ自体はとても面白そうな気がするあれですので、もしあれな方がおられたらあれこれしてみてください。
という宣伝をして終わりたい。

この店にもこの店をやっている人間にもリズムというものがない、という感じになった。

photo by 斉藤幸子

「フヅクエの日々」の他の記事