本の読める店

リスタート

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昨日3月2日から値段を決めたため、じゃあお会計はこれですとか言って電卓見せてお代を頂戴するその流れが発生し、「なんだこれは、まるで別の店をやっているみたいじゃないか」という新鮮さの中で一日営業がおこなわれた。

値段を決めることそれ自体を大げさに捉えているつもりはないのだけれども、昨日はとてもリスタートの感覚が強い一日だった。

4ヶ月前、10月17日、スタートの日。感慨に浸る余裕もなく、準備が、全然、間に合わない…!という感じであたふたと仕込みをしたりあれこれをしたりしていた。そして16時オープンのはずだったけれど、無理だ、つって17時オープンにしたのだった。初日から遅刻、みたいななんとも景気のいいスタートだったわけだった。
それ以来そういう遅刻の仕方は繰り返されず、記憶にあるかぎりだとちゃんと16時で開け続けていた。それが昨日は、メニューの差し替えとかもあって、あと起きるのが必要な時間よりも遅かったこともあって、でも寝るのが前夜はメニュー関係の準備をずっとしていて朝の6時とかだったからまあしゃあないかなというのもあって、そもそももっと早く準備しておけよというのもあって、だけど2月が突然終わったから仕方がないというのもあって、というのもあって、あ、これ16時間に合わない、と判断がくだされたため17時オープンにしたのだった。

そういうこともあってオープンした日のことを少し思い出したり、その流れで一番最初のお客さんとして来てくれた友だちのことを思い出したりしていた。そうしたら。
その友だちがその日以来でやってきて、「元気?」とか言って、やってきて、というのがあって。

そういった2つ、まあたった2つではあるけれども、2つの10月17日を模倣する出来事が続けてあったため、たいへんリスタートの感覚になったというわけだった。

そういう話を下でタバコ吸いながらその友だちにしたら「輪廻感はんぱないねー」みたいな言葉が返ってきた。
輪廻。
その場合、フヅクエが目指すべき解脱ってどんな状態なんだろうか。バイアウトみたいな感じなんだろうか。IPO?よくわからないけど、イグジットって言われるやつがそれら?
まあなんでもいいしそんなものは当然目指さないんだけど、スタートアップ的な人たちの中ではイグジット的なことを解脱って呼んだりしないのかな。そう呼べばいいのにな。「無事解脱しました!」みたいな。

そう、だから、書いていてわりとなんでもよくなってきちゃっているのだけど、仕組みが変わっただけでリスタートでもなんでもないのだけど、お客さんに金額を提示するっていうのは新鮮どころかこの仕組み斬新だなみたいな、何年も客商売をやってきた人間とは思えない倒錯した感覚になっていて愉快です、という話でした。

photo by 斉藤幸子

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